家族間のコミュニケーション
家族の間でのコミュニケーションが不足すると、子どもはその影響をとくに大きく受けることになります。
精神面や生活態度への影響というのも深刻ですが、同時に考えなくてはならないのが学力への影響。
統計によると、家族のコミュニケーションが不足している家庭の子どもは、学力が低い傾向にあるのだそうです。
コミュニケーション不足と子どもの学力の関係には、さまざまな要因が絡み合って引き起こされている例が多いのですが、その中でも代表的なのが「コミュニケーション不足による言葉の理解力の不足」であると言われています。
当然ですが、小さな子どもがまず接して言葉を交わすのは両親をはじめとした家族です。
最初は家族の話している言葉が完全に理解できなくても、その部分部分を理解することから言葉を覚えて行きます。
そして、覚えた言葉を使うことで正しいコミュニケーションのしかたを覚え、同時に言葉から相手の言っている意味を読み取って、それに対して適切に反応するということを経験しながら学んでいくのです。
教育に及ぼす影響
ところが、コミュニケーション不足の家庭では、このような学習をするチャンスが少ないため、言葉にたいする理解力が不足したまま、就学年齢になってしまうということが起きるのです。
そうするとどうなるのでしょうか?
当然のことですが、学校の授業は、先生が言葉で話すことによって行われますし、教科書も言葉によって書かれています。
先生になにか質問したいと思っても、自分が聞きたいことを他人につたわるように言語にするにはそのためのスキルが必要となるのです。
学力の低下に繋がる
そういったことが原因となって、コミュニケーション不足の家庭の子どもでは学力の低下が起きるようです。
また、小さな子どもがひとりで自主的に勉強をするというのは難しいもの。
子どもが勉強をする習慣を身に付けるための環境は、家族が協力してつくっていく必要があります。
しかし、子どもとのコミュニケーションを取らずに、そういったこともせずにいれば、どうしてもこどもは勉強をするより遊ぶ方を選んでしまいます。
その結果は、当然ですが学力低下となるでしょう。
もちろん、コミュニケーションさえ取っていれば学力が上がるということではありません。
きちんとしたバランス感覚をもったコミュニケーションこそが、子どもの学力のためには大切なのです。